保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則
保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養(以下単に「療養の給付」という。)は、薬剤又は治療材料の支給並びに居宅における薬学的管理及び指導とする。
保険薬局は、懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない。
保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、厚生労働大臣又は地方社会保険事務局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない。
保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、次の各号に掲げる行為を行つてはならない。
- 一 保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行うこと。
- 二
保険医療機関又は保険医に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、金品その他の財産上の利益を供与すること。
2
前項に規定するほか、保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならない。
保険薬局は、患者に対して、第四条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。
※ 平成二十四年十月一日施行
保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、別に厚生労働大臣が定める事項を掲示しなければならない。
保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方せんが健康保険法
(大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項 各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「保険医等」という。)が交付した処方せんであること及びその処方せん又は被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確めなければならない。
保険医療機関等は、患者に対し、居宅療養管理指導その他の介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第八条第一項
に規定する居宅サービス又は同法第八条の二第一項 に規定する介護予防サービスに相当する療養の給付を行うに当たっては、同法第十二条第三項
に規定する被保険者証の提示を求めるなどにより、当該患者が同法第六十二条 に規定する要介護被保険者等であるか否かの確認を行うものとする。
保険薬局は、被保険者又は被保険者であつた者については法第七十四条 の規定による一部負担金並びに法第八十六条 の規定による療養についての費用の額に法第七十四条第一項
各号に掲げる場合の区分に応じ、同項 各号に定める割合を乗じて得た額の支払を、被扶養者については法第七十六条第二項 又は第八十六条第二項第一号
の費用の額の算定の例により算定された費用の額から法第百十条 の規定による家族療養費として支給される額(同条第二項第一号 に規定する額に限る。)に相当する額を控除した額の支払を受けるものとする。
2 保険薬局は、法第六十三条第二項第三号 に規定する評価療養又は同項第四号 に規定する選定療養に関し、当該療養に要する費用の範囲内において、法第八十六条第二項
又は第百十条第三項 の規定により算定した費用の額を超える金額の支払を受けることができる。
1
保険薬局は、前条の規定により患者から費用の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を無償で交付しなければならない。
2
厚生労働大臣の定める保険薬局は、前項に規定する領収証を交付するときは、正当な理由がない限り、当該費用の計算の基礎となつた項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。ただし、領収証を交付するに当たり明細書を常に交付することが困難であることについて正当な理由がある場合は、患者から求められたときに交付することで足りるものとする。
3 前項に規定する明細書の交付は、正当な理由がある場合を除き、無償で行わなければならない。
※ 平成二十六年四月一日施行
※
ただし、明細書を常に交付することが困難であることについて正当な理由がある場合には、当分の間、患者から求められたときに明細書を交付することで足りる。また、正当な理由がある場合には、当分の間、有償で発行することができる。
保険薬局は、第十条の規定による調剤録に、療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の調剤録と区別して整備しなければならない。
保険薬局は、患者に対する療養の給付に関する処方せん及び調剤録をその完結の日から三年間保存しなければならない。
保険薬局は、患者が詐欺その他不正行為により療養の給付を受け、又は受けようとしたときは、遅滞なく、意見を附して、その旨を管轄地方社会保険事務局長又は当該健康保険組合に通知しなければならない。
保険薬局は、薬事法第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品(以下「新医薬品等」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第十四条の規定による製造販売の承認(以下「承認」という。)がなされたもの(ただし、同法第十四条の四第一項第二号に掲げる医薬品並びに新医薬品等に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。)(以下「後発医薬品」という。)の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。
1 保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)は、保険医等の交付した処方せんに基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない。
2 保険薬剤師は、調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。
3 保険薬剤師は、処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であつて、当該処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは、患者に対して、後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない。
保険薬剤師は、厚生労働大臣の定める医薬品以外の医薬品を使用して調剤してはならない。ただし、厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
保険薬剤師は、調剤に当たつては、健康保険事業の健全な運営を損なう行為を行うことのないよう努めなければならない。
保険薬剤師は、患者の調剤を行つた場合には、遅滞なく、調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない。
保険薬剤師は、その行つた調剤に関する情報の提供等について、保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない。
保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部改正等に伴う実施上の留意事項について
1 特定の保険薬局への誘導の禁止(第2条の4及び第19条の3)関係
- (1)従来から、保険医が処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことは禁止されているところであるが、今般、保険医療機関についても、当該保険医療機関において診療に従事する保険医の行う処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことを禁止したものであること。具体的には、保険医療機関内に掲示した特定の保険薬局への案内図や、保険医療機関の受付において配布した特定の保険薬局への地図等を用いることにより、患者を特定の保険薬局へ誘導すること等を禁止するものであること。
- (2)保険医療機関が、保険医の行う処方せんの交付に関し、患者に対し特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、保険薬局から金品その他の財産上の利益を受け取ることについても、特定の調剤薬局への患者誘導につながる蓋然性が極めて高く、また、行為それ自体が医薬分業の本旨にもとるものであることから、禁止することとしたものであること。この場合において、金品その他の財産上の利益とは、金銭、物品、便益、労務、饗応、患者一部負担金の減免等を指すものであること。
- (3)保険医についても、(2)と同様の観点により、保険薬局から金品その他の財産上の利益を受け取ることを禁止するものとすること。
2 証明書等の交付(第6条)関係
あん摩・マッサージ、はり及びきゅうに係る療養費の請求の際に必要な医師の同意書の交付に要する費用について、診療報酬上評価を行ったことに伴い、無償で交付する義務の対象から除外したこと。
3 特殊療法等の禁止(第18条)及び使用医薬品(第19条)関係
- (1)保険医は、健康保険の診療に従事するに当たり、厚生大臣の定める医薬品以外の医薬品を使用することは禁止されているところであるが、今般、薬事法(昭和35年法律第145号)第80条の2第1項に規定する治験(以下「治験」という。)に係る診療について、特定療養費の支給対象とされたことに伴い、厚生大臣の定める医薬品とされていない治験薬についても保険診療上使用されることとなることから、その場合には、本規定を適用をしない旨を明記したものであること。
- (2)また、特殊な療法及び新しい療法等についても、厚生大臣が定める場合のほかこれを行ってはならないものとされているが、(1)と同様の趣旨により、治験に係る診療については、本規定の適用除外とするものであること。(厚生大臣が定める場合を告示)
4 診療の具体的方針(第20条)関係
- (1)検査については、研究の目的で行うことは禁止されているところであるが、治験に係る診療について、特定療養費の支給対象としたことに伴い、治験に行う検査については、この限りでない旨を明記したものであること。
- (2)歯科診療についても、(1)と同様であること。
5 歯科診療の具体的方針(第21条)関係
今般、歯科診療報酬において、補綴物維持管理料を創設したこと等に伴い、歯冠修復物及びブリッジの維持管理について、歯科医師である保険医の努力義務として明確に位置づけたものであること。
1 健康保険事業の健全な運営の確保(第2条の3)関係
- (1)平成6年の保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部改正において、「調剤薬局の取扱いについて」(昭和57年5月27日薬発第506号、保発第34号)に基づき行われていた保険薬局の保険医療機関からの独立性に関する取扱いを明確化する観点から必要な改正が行われたところであるが、その後も、保険薬局の保険医療機関からの独立性に関して問題のみられる事例が発生し、祉会問題化している実情に鑑み、保険薬局は保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行ってはならないこと、及び、保険薬局は保険医又は保険医療機関に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならないことを明確化するものであること。
- (2)この場合において、保険医療機関と一体的な構造とは、保険薬局の土地又は建物が保険医療機関の土地又は建物と分離しておらず、公道又はこれに準ずる道路等を介さずに専用通路等により患者が行き来するような形態のものをいうものであること。また、保険薬局の独立性の確保の観点からは、いわゆる医療ビルのような形態は好ましくないが、このような場合にあっては、当該建物について、患者を含む一般人が自由に行き来できるような構造になっている旨を十分に確認すること。加えて、このような形態の場合には、患者誘導が行われるような実態のないよう、併せて留意すること。
- (3)保険医療機関と一体的な経営を行う場合とは、(2)のまた以下に該当する場合等保険医療機関と保険薬局が一定の近接的な位置関係にあり、かつ、次のアからエまでに規定するような経営主体の実質的同一性が認められる場合又は機能上医療機関とのつながりが強いとみなされる場合を指すものであること。
- ア 保険薬局の開設者(法人たる保険薬局の役員を含む。)が当該保険医療機関の開設者(特定保険医療機関の開設者が法人の場合にあっては、当該法人の役員を含む。)又は開設者と同居又は開設者と生計を一にする近親者であるもの。
- イ 保険薬局の開設者と保険医療機関の開設者の間の資本関係が実質的に同一であるもの(法人の場合にあっては当該法人の役員が経営するものを含む。)
- ウ 職員の勤務体制、医薬品の購入管理、調剤報酬の請求事務、患者の一部負担金の徴収に係る経理事務等が特定保険医療機関と明確に区分されていないもの
- エ 特定の保険医療機関との間で、いわゆる約束処方、患者誘導等が行われているもの。
- (4)金品その他の財産上の利益とは、第1の1の(2)と同様であること。
- (5)本条の規定に限らし、総合的に判断して医療機関の調剤所と同様とみられるものについては、保険薬局としての適格性に欠けるものであるから、地方社会保険医療協議会に諮った上、保険薬局の新規指定を行わないこと。また、現に存するものについては、次回更新時までに改善を指導し、これに従わない場合は、地方社会保険医療協議会に諮った上、更新を行わないこと。
2 掲示(第2条の4)関係
- (1)保険薬局が提供するサービスの内容等に関する事項について、患者に対する十分な情報提供の促進を図る観点から、厚生大臣の定める事項を薬局内の見やすい場所に掲示することとしたこと。
- (2)具体的には、次の4つの事項を掲示事項としたこと。
- ア 薬剤服用歴管理指導料に関する事項
- イ 基準調剤加算に関する事項
- ウ 無菌製剤処理加算に関する事項
- エ 在宅患者訪問薬剤管理指導料に関する事項
3 調剤の一般的方針(第8条)関係
- (1)保険薬局における薬学的管理及び指導は医薬分業の本旨であり、最近の医薬分業の急速な進展に伴い、その重要性が高まっていることに鑑み、調剤に加えて薬学的管理及び指導を保険薬剤師の義務として明確にしたものであること。
- (2)患者の療養上妥当適切な調剤及び薬学的管理指導を行うため、保険薬剤師は、日本薬剤師研修センター、薬剤師会及び薬科大学等が開催する研修等を通じて必要な知識及び技能の研鑽に努めなければならないものであること。
1 保険薬局が提供するサービスの内容について、患者に対する情報の提供の促進を図る観点から、保険薬局内の掲示事項として、調剤報酬点数表の薬剤服用歴管理指導料に関する事項及び同表に基づく届出事項に関する事項を定めたこと。
2 具体的には、薬剤服用歴管理指導料に関する事項並びに基準調剤加算の届出、無菌製剤処理加算の届出及び在宅訪問薬剤管理指導料に係る届出等に使用した届出書の内容のうち、届出を行ったことにより患者が受けられるサービスの内容等を保険薬局内の見やすい場所に分かりやすく掲示するものであること。
3 保険薬局の外側の見やすい場所に、開局時間及び休業日並びに時間外、休日、深夜における調剤応需体制に関する事項等についても掲示することが望ましいこと。
4 保険調剤に関して、ここで定められた以外の事項について誤解を招くような表現の掲示を行ったり、誇大な広告・宣伝を行ってはならないものであること。なお、以下に各事項の掲示の具体例を示す。
(掲示例)
- 1 当薬局は、厚生大臣が定める基準による調剤を行っている保険薬局です。
- 2 当薬局は、○○○品目の医薬品を備蓄しています。
- 3 当薬局は、どの保険医療機関の処方せんでも応需します。
- 4 当薬局は、患者さんの希望により服用薬剤の種類や服用経過などを記録した「薬剤服用歴の記録」を作成し、薬剤によるアレルギーや副作用の有無を確認するとともに、複数の病院・診療所から薬剤が処方されているような場合には、服用薬剤同士の重複や相互作用の有無をチェックします。
- 5 当薬局は、処方せんによる医師の指示があるときは、在宅で療養されている患者さん宅を訪問して服薬指導等を行います。
- 6 当薬局は、無菌室(クリーンベンチ)の設備を備え、注射薬等の無菌的な製剤を行います。
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則
(昭和三十二年四月三十日厚生省令第十六号)
最終改正:平成二四年三月五日厚生労働省令第二六号
(最終改正までの未施行法令) |
平成二十四年三月五日厚生労働省令第二十六号 |
(一部未施行) |
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健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十三条ノ四第一項及び第四十三条ノ六第一項(これらの規定を同法第五十九条ノ二第七項において準用する場合を含む。)の規定に基き、並びに日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)及び船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)を実施するため、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則を次のように定める。
(療養の給付の担当の範囲)
第一条 保険薬局が担当する療養の給付及び被扶養者の療養(以下単に「療養の給付」という。)は、薬剤又は治療材料の支給並びに居宅における薬学的管理及び指導とする。
(療養の給付の担当方針)
第二条 保険薬局は、懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない。
(適正な手続の確保)
第二条の二 保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、厚生労働大臣又は地方厚生局長若しくは地方厚生支局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない。
(健康保険事業の健全な運営の確保)
第二条の三 保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、次の各号に掲げる行為を行つてはならない。
一 保険医療機関と一体的な構造とし、又は保険医療機関と一体的な経営を行うこと。
二 保険医療機関又は保険医に対し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、金品その他の財産上の利益を供与すること。
2 前項に規定するほか、保険薬局は、その担当する療養の給付に関し、健康保険事業の健全な運営を損なうことのないよう努めなければならない。
(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
第二条の三の二 保険薬局は、患者に対して、第四条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。
(掲示)
第二条の四 保険薬局は、その薬局内の見やすい場所に、別に厚生労働大臣が定める事項を掲示しなければならない。
(処方せんの確認)
第三条 保険薬局は、被保険者及び被保険者であつた者並びにこれらの者の被扶養者である患者(以下単に「患者」という。)から療養の給付を受けることを求められた場合には、その者の提出する処方せんが健康保険法
(大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項 各号に掲げる病院又は診療所において健康保険の診療に従事している医師又は歯科医師(以下「保険医等」という。)が交付した処方せんであること及びその処方せん又は被保険者証によつて療養の給付を受ける資格があることを確めなければならない。
(要介護被保険者等の確認)
第三条の二 保険医療機関等は、患者に対し、居宅療養管理指導その他の介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第八条第一項 に規定する居宅サービス又は同法第八条の二第一項
に規定する介護予防サービスに相当する療養の給付を行うに当たっては、同法第十二条第三項 に規定する被保険者証の提示を求めるなどにより、当該患者が同法第六十二条
に規定する要介護被保険者等であるか否かの確認を行うものとする。
(患者負担金の受領)
第四条 保険薬局は、被保険者又は被保険者であつた者については法第七十四条 の規定による一部負担金並びに法第八十六条 の規定による療養についての費用の額に法第七十四条第一項
各号に掲げる場合の区分に応じ、同項 各号に定める割合を乗じて得た額の支払を、被扶養者については法第七十六条第二項 又は第八十六条第二項第一号
の費用の額の算定の例により算定された費用の額から法第百十条 の規定による家族療養費として支給される額(同条第二項第一号 に規定する額に限る。)に相当する額を控除した額の支払を受けるものとする。
2 保険薬局は、法第六十三条第二項第三号 に規定する評価療養又は同項第四号 に規定する選定療養に関し、当該療養に要する費用の範囲内において、法第八十六条第二項
又は第百十条第三項 の規定により算定した費用の額を超える金額の支払を受けることができる。
(領収証の交付)
第四条の二 保険薬局は、前条の規定により患者から費用の支払を受けるときは、正当な理由がない限り、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を無償で交付しなければならない。
2 厚生労働大臣の定める保険薬局は、前項に規定する領収証を交付するときは、正当な理由がない限り、当該費用の計算の基礎となつた項目ごとに記載した明細書を交付しなければならない。ただし、領収証を交付するに当たり明細書を常に交付することが困難であることについて正当な理由がある場合は、患者から求められたときに交付することで足りるものとする。
3 前項に規定する明細書の交付は、正当な理由がある場合を除き、無償で行わなければならない。
(調剤録の記載及び整備)
第五条 保険薬局は、第十条の規定による調剤録に、療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の調剤録と区別して整備しなければならない。
(処方せん等の保存)
第六条 保険薬局は、患者に対する療養の給付に関する処方せん及び調剤録をその完結の日から三年間保存しなければならない。
(通知)
第七条 保険薬局は、患者が詐欺その他不正行為により療養の給付を受け、又は受けようとしたときは、遅滞なく、意見を付して、その旨を全国健康保険協会又は当該健康保険組合に通知しなければならない。
(後発医薬品の調剤)
第七条の二 保険薬局は、薬事法第十四条の四第一項 各号に掲げる医薬品(以下「新医薬品等」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第十四条
の規定による製造販売の承認(以下「承認」という。)がなされたもの(ただし、同法第十四条の四第一項第二号 に掲げる医薬品並びに新医薬品等に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。)(以下「後発医薬品」という。)の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。
(調剤の一般的方針)
第八条 保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)は、保険医等の交付した処方せんに基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない。
2 保険薬剤師は、調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。
3 保険薬剤師は、処方せんに記載された医薬品に係る後発医薬品が次条に規定する厚生労働大臣の定める医薬品である場合であつて、当該処方せんを発行した保険医等が後発医薬品への変更を認めているときは、患者に対して、後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならない。この場合において、保険薬剤師は、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない。
(使用医薬品)
第九条 保険薬剤師は、厚生労働大臣の定める医薬品以外の医薬品を使用して調剤してはならない。ただし、厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
(健康保険事業の健全な運営の確保)
第九条の二 保険薬剤師は、調剤に当たつては、健康保険事業の健全な運営を損なう行為を行うことのないよう努めなければならない。
(調剤録の記載)
第十条 保険薬剤師は、患者の調剤を行つた場合には、遅滞なく、調剤録に当該調剤に関する必要な事項を記載しなければならない。
(適正な費用の請求の確保)
第十条の二 保険薬剤師は、その行つた調剤に関する情報の提供等について、保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない。
(読替規定)
第十一条 日雇特例被保険者の保険及び船員保険に関してこの省令を適用するについては、次の表の第一欄に掲げるこの省令の規定中の字句で、同表の第二欄に掲げるものは、日雇特例被保険者の保険にあつては同表の第三欄に掲げる字句と、船員保険にあつては同表の第四欄に掲げる字句とそれぞれ読み替えるものとする。
第一欄 |
第二欄 |
第三欄 |
第四欄 |
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第二条の三
(見出しを含む。) |
健康保険事業 |
健康保険事業 |
船員保険事業 |
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第三条 |
健康保険法(大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項各号 |
健康保険法(大正十一年法律第七十号。以下「法」という。)第六十三条第三項第一号又は第二号 |
船員保険法(昭和十四年法律第七十三号。以下「法」という。)第五十三条第三項各号 |
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第四条第一項 |
第七十四条 |
第百四十九条において準用する法第七十四条 |
第五十五条 |
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法第八十六条 |
法第百四十九条において準用する法第八十六条 |
法第六十三条 |
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第七十四条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額 |
第百四十九条において準用する法第七十四条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額 |
第五十五条第一項各号に掲げる区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額又は法第六十三条第三項の規定に基づき算定費用額から控除される金額 |
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第七十六条第二項又は第八十六条第二項第一号 |
第七十六条第二項又は第八十六条第二項第一号 |
第五十八条第二項又は第六十三条第二項第一号 |
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第百十条 |
第百四十条 |
第七十六条 |
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同条第二項第一号に規定する額 |
法第百四十九条において準用する法第百十条第二項第一号に規定する額 |
同条第二項第一号に規定する額 |
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支払を受ける |
支払を、特別療養費に係る療養を受けた者については法第七十六条第二項の費用の額の算定の例により算定された費用の額から法第百四十五条の規定による特別療養費(同条第二項第一号に掲げる費用に限る。)として支給される額に相当する額を控除した額の支払を受ける |
支払を受ける |
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第四条第二項 |
法第六十三条第二項第三号 |
法第百四十九条において準用する法第六十三条第二項第三号 |
健康保険法(大正十一年法律第七十号)第六十三条第二項第三号 |
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同項第四号 |
法第百四十九条において準用する法第六十三条第二項第四号 |
健康保険法第六十三条第二項第四号 |
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第八十六条第二項又は第百十条第三項 |
第百四十九条において準用する法第八十六条第二項又は第百十条第三項 |
第六十三条第二項又は第七十六条第三項 |
|
第七条 |
全国健康保険協会又は当該健康保険組合 |
全国健康保険協会 |
全国健康保険協会 |
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第九条の二
(見出しを含む。) |
健康保険事業 |
健康保険事業 |
船員保険事業 |
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附 則
(施行期日)
1 この省令は、昭和三十二年五月一日から施行する。
(健康保険及び船員保険保険薬剤師療養担当規程の廃止)
2 健康保険及び船員保険保険薬剤師療養担当規程(昭和二十五年十月厚生省告示第二百七十五号)は、廃止する。
附 則 (昭和四八年一〇月一日厚生省令第三九号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和四九年一二月二八日厚生省令第四八号) 抄
1 この省令は、昭和五十年一月一日から施行する。
附 則 (昭和五六年五月二九日厚生省令第三八号)
この省令は、昭和五十六年六月一日から施行する。
附 則 (昭和五九年九月一二日厚生省令第四六号)
この省令は、昭和五十九年十月一日から施行する。
附 則 (平成六年三月一六日厚生省令第一〇号) 抄
1 この省令は平成六年四月一日から施行する。
附 則 (平成六年八月五日厚生省令第五〇号) 抄
1 この省令は、平成六年十月一日から施行する。
附 則 (平成八年三月八日厚生省令第六号)
1 この省令は、平成八年四月一日から施行する。
2 この省令の施行日前に行われた療養の給付の担当については、なお従前の例による。
附 則 (平成九年八月二五日厚生省令第六二号)
1 この省令は、平成九年九月一日から施行する。
2 この省令の施行日前に行われた療養の給付の担当については、なお従前の例による。
附 則 (平成一二年三月一七日厚生省令第三一号)
この省令は、平成十二年四月一日から施行する。
附 則 (平成一二年三月三一日厚生省令第八二号)
この省令は、平成十二年四月一日から施行する。
附 則 (平成一二年一〇月二〇日厚生省令第一二七号) 抄
(施行期日)
1
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附 則 (平成一四年三月八日厚生労働省令第二三号)
この省令は、平成十四年四月一日から施行する。
附 則 (平成一四年九月一二日厚生労働省令第一二〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この省令は、平成十四年十月一日から施行する。ただし、第二条及び第四条の規定は平成十五年四月一日から施行する。
附 則 (平成一五年二月二五日厚生労働省令第一五号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十五年四月一日から施行する。
附 則 (平成一六年二月二七日厚生労働省令第二一号)
この省令は、平成十六年四月一日から施行する。
附 則 (平成一八年三月六日厚生労働省令第二七号)
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十八年四月一日から施行する。
(経過措置)
第二条
個別の費用ごとに区分して記載した領収証の交付に必要な設備がこの省令の施行の際まだ整備されていない保険医療機関及び保険薬局については、この省令による改正後の保険医療機関及び保険医療養担当規則第五条の二の二又は保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第四条の二の規定にかかわらず、平成十八年九月三十日までは、なお従前の例によることができる。
附 則 (平成一八年三月一四日厚生労働省令第三二号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十八年四月一日から施行する。
附 則 (平成一八年九月八日厚生労働省令第一五七号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十八年十月一日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。
附 則 (平成二〇年三月五日厚生労働省令第二八号)
この省令は、平成二十年四月一日から施行する。
附 則 (平成二〇年九月三〇日厚生労働省令第一四九号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成二十年十月一日から施行する。
附 則 (平成二〇年九月三〇日厚生労働省令第一五〇号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成二十年十月一日から施行する。
附 則 (平成二一年一二月二八日厚生労働省令第一六八号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成二十二年一月一日から施行する。
附 則 (平成二二年三月五日厚生労働省令第二五号) 抄
1 この省令は、平成二十二年四月一日から施行する。
附 則 (平成二四年三月五日厚生労働省令第二六号) 抄
(施行期日)
第一条
この省令は、平成二十四年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
第一条中保険医療機関及び保険医療養担当規則第二条の四の次に一条を加える改正規定及び第二条中保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第二条の三の次に一条を加える改正規定 平成二十四年十月一日
二
第一条中保険医療機関及び保険医療養担当規則第五条の二の改正規定及び第二条中保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第四条の二の改正規定並びに附則第二条及び第三条の規定 平成二十六年四月一日
(保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則の一部改正に伴う経過措置)
第三条
領収証を交付するに当たり明細書を常に交付することが困難であることについて正当な理由がある場合は、第二条の規定による改正後の保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(以下「新薬担規則」という。)第四条の二第二項の規定にかかわらず、当分の間、患者から求められたときに明細書を交付することで足りるものとする。
2
明細書の交付を無償で行うことが困難であることについて正当な理由がある場合は、新薬担規則第四条の二第三項の規定にかかわらず、当分の間、明細書の交付を有償で行うことができる。